お知らせ(2011年度掲載分)

■『女性の日』(3) (10/Mar./2012)

今年のアナトリアの冬は厳しいです。例年になく雪が多く、早朝は未だにマイナスの日々が続いています。カマン・カレホユック考古学博物館には、この寒さの中でも驚いたことに見学者が絶えません。この地方にこの類いの施設があまりないことも起因しているのかもしれません。

「世界女性の日」に合わせて、3月8日(木)、カマン・カレホユック考古学博物館では、アナトリア考古学研究所と共催による『女性の日』を開催しました。今回も研究所のあるチャウルカン村、カマン町から多くの参加者がありました。学芸員のプナルさんの博物館案内が終了した後には、皆さんが持ち寄って下さったお料理を一緒に頂きながら楽しい一時を過ごしました。

二日前もカマンには新雪が降りましたが、三笠宮記念庭園の木々の幹も心なしか瑞々しくなって来ております。今は春をじっと待っている中央アナトリア高原です。(2012年3月10日)

女性の日(3) 女性の日(3) 女性の日(3) 女性の日(3)
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■アナトリア考古学研究所冬期間の作業 (5/Mar./2012)

今シーズンの冬は雪に悩まされています。例年ですと3月初旬には吃驚する程気温が上昇することもありますが、なかなか今年の冬は終わりそうにもありません。トルコ語で言うところのカラクシュ(黒い冬、つまり厳しい冬の意味になるのかもしれません)です。ただ、先日降った霙が時折激しい雨に変わり、大分雪も解け久しぶりに大地が顔を出しました。重い雪の下でじっと耐えしのんできた、まだ数センチの背丈しかない小麦が顔を見せていました。その緑色の美しさは周りの雪の白さの中では格別でした。

カラクシュの中を毎日研究所に村から通って来ているトルコ人のスタッフは、松村研究員等とともにカマン・カレホユック、ヤッスホユック、ビュクリュカレ遺跡の遺構図面、遺物実測の作業を行っています。カマン・カレホユック遺跡の第I層-オスマン帝国時代、第II層-鉄器時代の建築遺構は大凡のところまで接合が完了し、現在、第III層の中期・後期青銅器時代の断面図の作成を盛んに行なっているところです。また、昨シーズン出土した遺物の整理作業も同時平行して行っています。このような作業と同時に、今シーズンの発掘作業の準備も行なっているところです。

3月中旬に入りますと、中央アナトリアにも春が一気に近づいてくるものと思います。地中海沿岸は既に春を迎えたようです。春がタウルス山脈を越え中央アナトリアへ入ってくるのももう直きかと思います。(2012年3月5日)

アナトリア考古学研究所2012冬 (1) アナトリア考古学研究所2012冬 (2) アナトリア考古学研究所2012冬 (3) アナトリア考古学研究所2012冬 (4)
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■『先生の日』 (13/Feb./2012)

カマン・カレホユック考古学博物館では、『女性の日』等を行って来ておりますが、今回はクルシェヒル県、カマン郡の学校の先生方を博物館に招き『先生の日』を開催しました。この会は、博物館とアナトリア考古学研究所が共催する形で行いましたが、マイナス十度を超す寒さの中、約150名の教師が集まりました。松村公仁アナトリア考古学研究所研究員が研究所の活動を講演、学芸員のプナル・イルマンさんが博物館の活動を話した後に博物館に展示されている遺物を案内しました。先生方からは沢山の質問があり、温かくなったところで子供たちを連れてまた是非博物館を訪ねたいとの声もあがり、『先生の日』は盛会裡に終わりました。3月中旬になりますと、アナトリアも春の気配を感じる日が多くなります。カマン郡の小学生が博物館を沢山訪ねて来ることを期待しております。

先生の日 (1) 先生の日 (2) 先生の日 (3) 先生の日 (4)
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■アナトリア高原は真冬です (13/Jan./2012)

アナトリア考古学研究所はすっかり雪に覆われました。1月初旬までほとんど雪も降らず、比較的に穏やかな日が続いていましたが、今週始めから雪が降り始め、アナトリア高原全体がすっかり銀世界に変わりました。早朝はマイナス10度前後まで下がっており大分冷え込んできています。三笠宮記念庭園も雪に覆われ、庭園内の池の水も凍ってしまいました。

このような雪景色は3月初旬まで何度か見ることになりますが、3月中旬から下旬にかけて庭園の木々の枝が瑞々しくなってくるのと同時に、春は地中海の方から駆け足でやってきます。その日がとにかく待ち通しいです。

研究所では、現在、昨年発掘調査を行ったカマン・カレホユック、ヤッスホユック、ビュクリュカレ遺跡出土の遺物の整理を盛んに行なっているところです。それと同時にカマン・カレホユック遺跡の北区、南区で検出されている第II層、鉄器時代の建築遺構の実測図面の整理も行っています。

雪景色2012年冬 (1) 雪景色2012年冬 (2) 雪景色2012年冬 (3) 雪景色2012年冬 (4)
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■トルコ発掘報告会(2010-2011年)・第21回トルコ調査研究会終了 (28/Dec./2011)

12月17日(土)、18日(日)の両日にわたって、武蔵境駅北口にある武蔵野スイングホール内レインボーサロンで行ったトルコ発掘報告会(2010-2011年)、第21回トルコ調査研究会は無事終了しました。二日間で延べ約300名の参加者がありました。休日にも関わらずお出で下さった方々には厚くお礼を申し上げます。

初日の発掘報告の第25-26次カマン・カレホユック発掘調査報告では、1986年以来継続して進めている『文化編年の構築』、『暗黒時代』、第2-3次ヤッスホユック発掘調査報告では、前2千年紀初頭に年代付けられると思われる公共性を帯びた『大形建築遺構』、第2-3次ビュクリュカレ発掘調査報告では、前2千年紀半ばから後半にかけてのヒッタイト帝国時代に年代付けられる強い火災を受けた『建築遺構』に関して等それぞれ発表しました。

また、18日の研究会では、午前中にカマン・カレホユック出土の土器の重鉱物を使っての産地同定、午後にはビュクリュカレ出土のヒッタイト古王国時代からヒッタイト帝国時代にかけて年代付けられるガラス容器、粘土板について討論形式の発表が行われました。また、カマン・カレホユック出土の鉄製品について形態、生産、分析等からの発表等が行われました。特に今回はガラス容器、粘土板に関して討論形式を採ってみましたが、フロアからも興味深い質問、コメントがあり有意義な時間を過ごすことが出来たのではないかと思っております。

報告会、研究会の終了後、来シーズンの発掘調査の準備に取りかかっております。2012年は、4月中旬から発掘調査を開始する予定です。そして2012年12月には報告会、研究会を開催させて頂ければと考えております。

2010-2011年度報告会・第21回研究会 (1) 2010-2011年度報告会・第21回研究会 (2) 2010-2011年度報告会・第21回研究会 (3) 2010-2011年度報告会・第21回研究会 (4)
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logo*2010-2011年度トルコ調査報告会・第21回トルコ調査研究会は
「競輪公益資金」の補助を受けて開催されました。



■カマン・カレホユック遺跡・ヤッスホユック遺跡・ビュクリュカレ遺跡の保護屋根仮設作業を行っています (25/Nov./2011)

11月初旬にヤッスホユック遺跡の発掘調査が終了、遺跡の空撮が終わったところで出土遺構の保護を目的として発掘区に仮設の屋根を架ける作業を行いました。ヤッスホユックの屋根を架ける作業は5日間程で終わり、11月9日からはカマン・カレホユック遺跡の保護屋根の仮設作業を開始しました。カマン・カレホユックの発掘区は広大なため終了まで3週間は優にかかりそうです。ただ、保護屋根を架けるか架けないかでは遺構の保存に大きく影響しますので、発掘調査と同様手を抜くわけには行きません。作業をしているのは発掘調査に参加しているトルコ人のスタッフで、彼らは建築遺構等に細心の注意を払ってくれているのが何よりです。

尚、このカマン・カレホユック遺跡保護屋根の仮設には『住友財団』の『海外の文化財維持・修復事業』の助成を受けています。

保護屋根仮設作業 2011秋 (1) 保護屋根仮設作業 2011秋 (2) 保護屋根仮設作業 2011秋 (3) 保護屋根仮設作業 2011秋 (4)
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■三笠宮記念庭園は紅葉の時期を迎えました (2/Nov./2011)

1989〜1990年に工事準備、1991年に本格的に造園を開始、1993年の9月に完成した「三笠宮記念庭園」は、今シーズンも多くの訪問者で賑わっています。特に天気の良い土曜、日曜、祝日になりますと家族連れが多く訪ねてきます。昨年の7月10日にカマン・カレホユック考古学博物館が開館したこともあり、相乗効果でしょうか。一年余りで4万人を超す訪問者がありました。

博物館見学の後は必ずと言って良い程、皆「三笠宮記念庭園」を訪れます。庭園は、今ではカマンの観光スポットになっているようです。また、カマンの街や、研究所のあるチャウルカン村で行われる結婚式の記念撮影の場所として、おおいに活用されているのも嬉しいことです。

アナトリア高原は、9月に入り気温が下がりだし、それと同時に徐々に紅葉が始まっておりました。10月中旬に一気に気温が下がったことで「三笠宮記念庭園」の「もみじ」、「さくら」等が見事に紅葉しています。1991年に日本から70種程の苗木を運びましたが、上手く中央アナトリアの気候に適応したのは「もみじ」と「さくら」でした。今の気温の下がり方ではいつ雪が降って来ても不思議ではありません。もう直き「三笠宮記念庭園」は雪に包まれることと思います。(大村幸弘)

三笠宮記念庭園 2011秋 (1) 三笠宮記念庭園 2011秋 (2) 三笠宮記念庭園 2011秋 (3) 三笠宮記念庭園 2011秋 (4)
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■『女性の日』(2) (28/Oct./2011)

10月20日(木)、アナトリア考古学研究所とカマン・カレホユック考古学博物館の共催で「女性の日」を開催しました。2回目の「女性の日」は、研究所のあるチャウルカン村、そしてカマンの町にも声を掛け、40名近くの女性が集まりました。今回も学芸員のプナルさんが展示遺物を一つ一つ丁寧に説明し、集まった皆からの質問を受けていました。見学の後は、皆で持ち寄ったビスケットなどでお茶を飲みながら、和気あいあいの本当に楽しい時間を過ごしました。次回は11月末にこの会を行う予定です。その時には、さらに周辺の村にも声をかけてみたいと思っています。

女性の日(2) 女性の日(2) 女性の日(2) 女性の日(2)
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■『カマン・カレホユック考古学博物館でArkeokulu(考古学の学校)』(3) (19/Oct./2011)

カマン・カレホユック考古学博物館とアナトリア考古学研究所は、7月、8月、小学校の夏休みを使ってチャウルカン村やカマン町の子供たちを対象としたArkeokulを開催しました。小学生に自分たちの住んでいるクルシェヒル県の歴史に少しでも馴染んでもらおうと、研究所とカマン・カレホユック考古学博物館の共催でクルシェヒルの町(カマンから東約55キロ、車で40分)にある12世紀のセルジューク時代の神学校、モスク、民族学博物館等の見学を行いました。参加した21名の子供たちの中にはクルシェヒルが初めてという子も数人おり、出発前から全員うきうきしていたのが印象的でした。

案内役は、カマン・カレホユック考古学博物館学芸員のプナルさん、クルシェヒル考古学博物館学芸員のスレイマンさんの二人です。特にクルシェヒル出身のスレイマンさんは、子供たちにクルシェヒルの歴史について色々と説明して下さいました。子供たちからは矢継ぎ早の質問があびせられ、スレイマンさんも時々たじたじになるほどでした。昼食は町の中心部に位置するカレ(丘状の遺跡)の頂上部にあるレストランの一角を借り、運転手のデニズさんが用意してくれたドネル(牛肉の回転焼き)のサンドイッチをお腹一杯食べ、その後、ローマ時代から湧き出ているといわれるテルメ温泉で足湯を楽しみチャウルカン村に戻ってきました。へとへとになるぐらいの見学でしたので、帰りの車の中ではほぼ全員ぐっすり眠り込んでいました。

考古学の学校3(1) 考古学の学校3(2) 考古学の学校3(3) 考古学の学校3(4) 考古学の学校3(5) 考古学の学校3(6)
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■ヒッタイト学会 (16/Sep./2011)

第8回ヒッタイト学会が、ポーランドのワルシャワで開催されました(9月5〜9日)。学会五日目には、ビュクリュカレ遺跡を発掘調査している松村公仁(アナトリア考古学研究所研究員)、ビュクリュカレ遺跡から出土した粘土板を解読したMark Weeden(ロンドン大学非常勤講師)が下記のタイトルで発表しました。


Mtsumura, Kimiyoshi "Excavations at Büklükale"

Weeden, Mark "A Hittite Tablet from Büklükale"

 

▼ プログラム、発表要旨はこちらからダウンロードできます。

http://hittitology.pl/program/


ヒッタイト学会 2011 (1) ヒッタイト学会 2011 (2) ヒッタイト学会 2011 (3)
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■三笠宮記念庭園の錦鯉 (16/Sep./2011)

昨年日本からやってきた錦鯉は三笠宮記念庭園の「上の池」にすっかり馴染んだようです。昨年生まれた稚魚は大分大きくなりました。8月末断食月が終わり、庭園の訪問客数もうなぎ上りです。錦鯉を目当てに訪ねてくる人も多いようでトルコの子供たちも嬉しそうに錦鯉を眺めています。カマン・カレホユック考古学博物館がそばにあることもあり、庭園の訪問客は年間5万人を優に超し、中央アナトリアの観光スポットになりつつあります。

日本庭園と錦鯉 2011 (1) 日本庭園と錦鯉 2011 (2) 日本庭園と錦鯉 2011 (3) 日本庭園と錦鯉 2011 (4)
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■アナトリア高原は秋に入りました (2/Spe./2011)

アナトリア考古学研究所の庭にある梨、林檎が収穫期に入りました。梨はびっくりする程たわわに実りました。8月中旬までは40度を超す日が連日続いていましたが、8月20日過ぎからは早朝の気温が一気に下がってきました。先週は息が真っ白くなる程冷え込みました。アナトリア考古学研究所のあるカマンも秋に入ったと同時に空気が澄んで来ています。数百メートル離れている村からの声が風に乗って聴こえて来る時もありますし、空気が澄んで来たことで高原の山々の稜線がくっきり見えるようになってきました。

研究所のあるチャウルカン村では先々週から冬支度が始まりました。冬の間に食べるユフカと言う薄く平べったいパンを焼く作業やトマトのペースト、ブルグル(小麦をピラフ用に炊き保存食として冬期間に使う)作りも始まりましたし、村のいたるところで薪作りも盛んです。9月中旬に入りますと、葡萄からのペクメズ(葡萄を搾りそのエキスをじっくりと煮込んだもの)作りも始まります。アナトリアの秋は、日本で言うところの「秋来ぬと目には清かに見えねども」と言う程はっきりはしていませんが、一日で気温が極端に下がるのにはいつも驚かされます。9月中旬過ぎには三笠宮記念庭園の木々も紅葉するものと思います。(大村幸弘)

アナトリア高原 2011秋 (1) アナトリア高原 2011秋 (2) アナトリア高原 2011秋 (3) アナトリア高原 2011秋 (4)
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■ W. S. K. ボン 土器の産地同定についての報告:Journal of Archaeological Science 37(9) (22/Aug./2011)

アナトリア考古学研究所では、カマン・カレホユック、ヤッスホユック、ビュクリュカレの3遺跡から出土している土器の産地同定を行っています。Journal of Archaeological Science 37に、W. S. K. ボンが中心となりカマン・カレホユック遺跡の前期、中期青銅器時代出土の土器の産地同定について報告しています。

Bong, W. S. K., Matsumura, K., Yokoyama, K., and Nakai, I., "Provenance study of early and middle bronze age pottery from Kaman-Kalehöyük, Turkey, by heavy mineral analysis and geochemical analysis of individual amphibole grains", Journal of Archaeological Science 37(9), 2010, pp. 2165 - 2178.



■A. B. パテラキス 遺跡、遺物の保存・修復リポート:News in Conservation(2011年8月)(23/Aug./2011)

アナトリア考古学研究所では、現在、カマン・カレホユック、ヤッスホユック、ビュクリュカレの3遺跡で発掘調査を行っています。これらの調査と平行して、出土した建築遺構、遺物の保存、修復、管理にも重点をおいています。遺構、遺物の保存・修復はアリス・B・パテラキスが中心となり行っています。 News in Conservation(2011年8月)には、パテラキスがアナトリア考古学研究所で行っている遺跡の保存、遺物の保存、修復についてリポートした記事が掲載されています。

“Preservation of cultural heritage in Turkey: Kaman-Kaleöyük” by Alice Bocia Paterakis, News in Conservation No.25 - The e-paper of the Inernational Institute for Conservation of Historic and Artistic Works.


▼ News in Conservation は、IICホームページよりダウンロードできます。

http://www.iiconservation.org/publications/nic/nic.php



■『カマン・カレホユック考古学博物館でArkeokulu(考古学の学校)』(2) (19/Aug./2011)

8月1日〜5日まで第二回「考古学の学校」をカマン・カレホユック考古学博物館で開きました。先月開いた「考古学の学校」は大好評で、村の子供たちから連日のようにもう一度開いて欲しいと言う強い要望があり、博物館と研究所の共催で行いました。今回も土器作り、小麦粉作り、装身具作り、カマン・カレホユック遺跡での発掘体験等盛りだくさんのプログラムで行いましたが、子供たちはびっくりする程元気一杯楽しんでいたのにはこちらの方が驚いてしまいました。

考古学の学校2 (1) 考古学の学校2 (2) 考古学の学校2 (3) 考古学の学校2 (4)
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■『女性の日』(19/Aug./2011)

カマン・カレホユック考古学博物館、アナトリア考古学研究所の共催で、7月30日、『女性の日』の集いを博物館で行いました。カマン・カレホユック発掘調査はこれまで26年間も継続して行われて来ておりますが、研究所のあるチャウルカン村、近郊のカマン町等から遺跡を訪ねてくることはあまりありません。おそらく発掘期間中は調査隊に迷惑をかけるのではないかと遠慮しているのかもしれません。チャウルカン村、カマン町でも良く質問されるのは『何が遺跡の中から見つかったのか』と言うのが一番多いように思います。今では毎日のように数百人の入場者はありますが、まだまだ女性の人たちの姿が少ないのは残念と言えば残念です。博物館の学芸員のプナルさん(女性)もそれに気がついていたようで、博物館で数ヶ月に一回で良いから『女性の日』を設定し、女性を対象とした講演会、博物館案内を行ってみたらどうだろうかと研究所側へ彼女の方から提案がありました。チャウルカン村役場にも協力してもらい、30日の11時に実際に行ってみましたが、予想以上に多くの参加者があったのには驚きました。彼女らの声で一番多かったのは、展示室の遺物を見ながら『本当にこんなものが見つかったのか』、と言う声でした。講演会、案内が終わった後、博物館の中庭でプナルさんを囲んで一時談笑した後、村へ戻って行きました。9月にもう一度この会を行いたいと思っています。

女性の日 (1) 女性の日(2)
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■T.オズギュッチ教授、N.オズギュッチ教授の蔵書 (8/Aug./2011)

アッシリア商業植民地時代の中心的遺跡であるキュルテペの発掘調査を半世紀以上に渡って陣頭指揮、2005年に逝去したT.オズギュッチ教授の3千冊を超す蔵書がアナトリア考古学研究所へ寄贈されました。一昨年、T.オズギュッチ教授の奥様でアナトリアの前2千年紀の印章研究の第一人者であるN.オズギュッチ教授からお二人の蔵書を研究所に寄贈されたい旨のお話しを頂いておりました。先月、N.オズギュッチ教授から蔵書を研究所へ移動して欲しいとのお話しを頂き、一昨日に先生のご自宅で梱包、昨日研究所へと運びました。蔵書はアナトリア考古学を研究する上では欠かすことの出来ない貴重なものが数多く含まれております。昨日から今日にかけて配架を行いましたが、タフシン先生が細々とお書きになったメモ等も含まれており、先生の声が聞こえてくるような錯覚に陥りました。先生の蔵書を充分に使わせて頂きながら今後ともアナトリア考古学に鋭意努力して参りたいと思っております。

寄贈蔵書 (1) 寄贈蔵書 (2) 寄贈蔵書 (3) 寄贈蔵書 (4)
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■博物館学フィールドコース(2011年)(29/Jul./2011)

国際交流基金、トルコ文化・観光省史跡及び博物館総局、アナトリア考古学研究所が共同で「博物館学フィールドコース(20011年)」をカマン・カレホユック考古学博物館、アナトリア考古学研究所の施設を利用しながら行いました。博物館学フィールドコースには、東アナトリア、黒海沿岸、地中海沿岸、エーゲ海沿岸にある地方博物館の学芸員20名が参加しました。第一回目のコースは、7月4日〜7月9日、第二回目のコースは、7月11日〜7月16日、第三回目は7月18日〜7月23日までの三回に分けて行われ、出土遺物の処理、遺物の修復、写真撮影、更に遺物の展示についての授業が行われました。特に展示専門家の永金文宏氏(国際交流基金が派遣)の授業は大好評で、展示のコンセプトの立て方、実際の展示の仕方等を受講者に丁寧に教えて下さったのは彼らの脳裏にしっかりと焼き付いたのではないかと思います。

博物館学フィールドコース (1) 博物館学フィールドコース (2) 博物館学フィールドコース (3) 博物館学フィールドコース (4)
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■カマン・カレホユック考古学博物館でArkeokulu(考古学の学校) (7/Jul./2011)

カマン・カレホユック考古学博物館で、村の子供たちを対象に考古学の学校が始まりました。先生役は、博物館の学芸員のプナル・イルマンさんですが、一緒に土器を作ったり、博物館を紹介するポスターを描いたりと子供たちは楽しい夏休みを過ごしています。

▼詳細は下記をご覧下さい

Arkeokulu(考古学の学校)1

Arkeokulu(考古学の学校)2


■アナトリア考古学研究所退職者の集い (29/Jun./2011)

アナトリア考古学研究所は、1985年、カマン・カレホユック遺跡で予備調査を行い、1986年から本格的な発掘調査を開始し今日に至っております。2009年からはヤッスホユック、ビュクリュカレ遺跡での発掘調査も開始しました。これらの発掘調査を支えて来てくれたのが研究所のあるチャウルカン村の村民だったと思っております。発掘当初から現場で手伝ってくれていた作業員の中には定年を迎えた者もおり、その数は20名を超しました。定年を迎えた後も発掘調査、あるいは三笠宮記念庭園で手伝ってくれている者もおります。現在、3遺跡の発掘調査を行っていますが、これらの発掘調査、三笠宮記念庭園そしてカマン・カレホユック考古学博物館の基盤を実際に支え、そして築き上げてくれたのが彼らではなかったかと思います。

6月26日(日)、研究所に彼らを招き退職者の集いを行いました。5名が他界していたのは残念でした。皆と久々に会話を交わすことが出来たのは何よりでした。 昨年オープンしたカマン・カレホユック考古学博物館がチャウルカン村の誇りだと言ってくれた退職者も多く嬉しいことでした。今では彼らの息子や孫が発掘調査に参加しており、研究所の活動を大いに盛り上げてくれています。(大村幸弘記)

退職者の集い2011年 (1) 退職者の集い2011年 (2) 退職者の集い2011年 (3) 退職者の集い2011年 (4) 退職者の集い2011年 (5) 退職者の集い2011年 (6) 退職者の集い2011年 (7) 退職者の集い2011年 (8)
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■第一回三笠宮オリエント学術賞 (13/Jun./2011)

公開講演

公開講演

5月21日(土)、三笠宮崇仁親王殿下のご臨席のもと第一回三笠宮オリエント学術賞の授賞式が、東京・神田にあるオリエント学会で行われ、月本昭夫三笠宮オリエント学術賞選考委員会委員長から中近東文化センター附属アナトリア考古学研究所所長大村幸弘に授与されました。

第一回三笠宮オリエント学術賞授賞式

第一回三笠宮オリエント学術賞授賞式


■クルシェヒル県から黒松等の苗木千本が寄贈されました (2/Jun./2011)

クルシェヒル県からアナトリア考古学研究所に黒松、樅をはじめとする苗木千本が寄贈されました。何れも3〜4年ものですが、三笠宮記念庭園の草刈り、灌水などを手伝ってくれているチャウルカン村の村人が苗木を一本一本丁寧に植えてくれています。彼らの手つきはなかなかなもので問題なく根付きそうです。中央アナトリアでの植樹時期は3月中旬から4月中旬が最適とされていますが、今年は雨の多いこともあり植樹時期が例年より少し長めになっています。数年先が楽しみです。

植樹2011年6月 (1) 植樹2011年6月 (2) 植樹2011年6月 (3) 植樹2011年6月 (4)
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■三笠宮記念庭園は初夏を迎えました (1/Jun./2011)

1993年に開園した三笠宮記念庭園は初夏を迎えました。4月、5月は雨が多かったこともあり例年になく庭園の樹木、芝生の緑が一段と鮮やかです。カマン・カレホユック考古学博物館には、夏休み前と言うこともあるのでしょうか、毎日のようにバスで沢山の小学校の児童が見学に来ています。博物館を見学した後は庭園を散歩したりして、緑の森の中に子供たちの元気な声が弾んでいます。藤、そして庭園周辺の野の花々が最も奇麗な季節になりました。

日本庭園2011初夏2 (1) 日本庭園2011初夏2 (2) 日本庭園2011初夏2 (3) 日本庭園2011初夏2 (4)
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■第33回発掘、一般調査、分析国際シンポジウム (27/May/2011)

トルコ共和国文化・観光省史跡及び博物館総局主催の第33回発掘、一般調査、分析国際シンポジウムが、5月23日〜27日までトルコ共和国の東アナトリアの町マラティア(イノニュ大学トゥルグット・オザル文化センター)で行われました。このシンポジウムでは、4会場を使いながら2010年にアナトリアで行われた発掘調査、一般調査、出土遺物の化学分析等の321の報告がありました。トルコをはじめ欧米(ドイツ、アメリカ、フランス、イギリス、オーストリア、カナダ、ベルギー、オーストラリア、イタリア)日本の研究者約300名が参加し連日熱の入った発表があり会場は熱気に包まれていました。

今回のシンポジウムの初日にムラット・ススル総局長が、欧米に流失している遺物の返還を盛んに行なっていることを強調したことが特筆されます。特にボアズキョイからドイツに修復を目的として送られ長期間に渡って返還されずにいたヒッタイト帝国時代のスフィンクスがトルコへ11月に戻ってくることを報告、ムラット総局長は欧米の博物館に今後とも返還を働きかけて行きたい旨を話していました。この動きはトルコの文化行政の今後の基本方針の一つになるのではないかと強く感じました。

今回の発表の中で注目されるものとしてはアッシリア商業植民地時代の主要拠点と言われているキュルテペ遺跡の報告があります。この遺跡の前期青銅器時代末期の層序から大理石製の像が数体出土していることです。この像に関して発掘者であるフィクリ・クラックオウル・アンカラ大学教授は詳細に述べてはおりませんでしたが、アナトリアの前3千年期末の前期青銅器時代の文化を考察する上では極めて重要な資料ではないかと思いました。今後の詳細な発表が待たれるところです。

アナトリア考古学研究所は、火曜日に松村公仁研究員が第2次ビュクリュカレ発掘調査、木曜日には第25次カマン・カレホユック発掘調査を大村が、大村正子研究員が第2次ヤッスホユック発掘調査についてそれぞれ発表しました。特にビュクリュカレ、ヤッスホユック発掘調査報告には多くの研究者が参集、発表後には両研究者が会場で多くの質問を受けていたのが印象的でした。ビュクリュカレ遺跡ではヒッタイト帝国の終焉の背景、そしてヤッスホユック遺跡ではアッシリア商業植民地時代の宮殿址と考えられる火災を受けた大建築遺構は今後のアナトリア考古学に対して貢献する資料が期待されると言うことで注目を浴びたのではないかと思いました。

水曜日の夕方にはマラティアの郊外にあるイタリア隊が長年発掘調査を行っているアスランテペ遺跡の見学がありましたが、銅石器時代の宮殿址に屋根をかけて保存していたことと、後期ヒッタイト時代の石像(オリジナルはアンカラのアナトリア文明博物館が所蔵)のレプリカを遺跡の入口置いていたのはなかなか面白い試みだと思いました。これは今後アナトリア各地で行われる遺跡保存の参考になるのではないかと思いました。(大村幸弘記)


■三笠宮記念庭園は初夏を迎えるところです (9/May/2011)

三笠宮記念庭園は初夏を迎えるところです。アナトリア高原も5月に入りやっと温かくなってきました。4月は例年より雨が多くなかなか気温も上がらずじまいで寒い程でした。昨年より十日以上遅れて「ソメイヨシノ」も満開になりました。昨年植樹した「花笠」がここ数日の温かさで開花しましたし、50本の「花笠」の殆ど活着したのは何よりです。庭園内の木々も緑も日一日と濃くなってきました。温かくなってきたことで庭園への来訪者もうなぎのぼりです。

日本庭園2011初夏 (1) 日本庭園2011初夏 (2) 日本庭園2011初夏 (3) 日本庭園2011初夏 (4)
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■日本から送られてきた桜の苗木を植樹 (7/Apr./2011)

昨年に引き続き、「国際協力アカデミー(AICAT)」主催、「国際交流基金」助成の基に「財団法人 日本花の会」、「ダイキン工業株式会社」、「株式会社 キーペックス」などからの賛助で桜の苗木がトルコへ贈呈されました。その中からカマン・カレホユック考古学博物館、アナトリア考古学研究所へ50本が送られてきました。『花笠』と言う八重桜の一種です。現在植樹を行っています。 また、昨年植樹した桜の苗木も順調に成長しています。

桜2011春 (1)植樹作業 桜2011春 (2)植樹作業 桜2011春 (3)今年植樹の桜 桜2011春 (4)昨年植樹の桜
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