ビュクリュカレ遺跡はトルコの首都アンカラの南東約65km、アンカラからカマンに向かう道がトルコ最長のクズルウルマック河を渡河する所に位置しています。そこは現在と同様昔から交通の要衝だったと考えられます。
1991年、2006年に中央アナトリアの考古学的一般調査の一環としてこの遺跡でも表採調査を行いました。
この遺跡はクズルウルマック河の脇にある岩山の上に大型の建築物があり、それを取り囲む形で周辺に都市が形成されています。
表採した土器片からこの遺跡が前2千年紀の後半、ヒッタイト帝国時代の都市であることも判りました。
カマン・カレホユック遺跡ではこのヒッタイト帝国時代の層が薄く、なおかつ鉄器時代の居住によって破壊されていることから、これまでの目標であった中央アナトリアの文化編年を確立する上で充分な資料が得られないという問題点がありました。このビュクリュカレ遺跡はカマン・カレホユック遺跡の成果を補ってくれる遺跡です。